モーション研究室

ゲーム業界のモーションデザイナーが書いてるモーション講座

【MAYA 初心者講座】歩き/走りモーション Lv14(気を付けるところ)

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歩き/走りモーション 前回の記事はコチラ▼

【MAYA 初心者講座】歩き/走りモーション Lv14(気を付けるところ)

前回の相違点に続き、今回は気を付けたい点について書きます。
 
どのように説明しようか数日考えた結果見比べて違いに気付くのも大事なのでNGパターンとOKパターンを1枚のGif動画にしてみました。
このGifを見ながら説明しますので画像を右クリック>新しいタブで画像を開く、もしくは名前を付けて画像を保存で参照しつつお願いします。

比較用gif(クリックでサイズ拡大)
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画像Front/Sideの左側がNGパターン(✖)、右側がOKパターン(〇)となっています。
分かり易くスローモーション再生にしました。(しかし、スローにすると粗が目立つなぁ。。。)

気を付けるところ

腰の上下動について

走りの腰の上下動は大袈裟に付けています。
陸上100m走を見てもリアルではこんなに上下動しておらずスプリンターであればある程、腰~頭部の動きは少なく安定しています。上画像の走り方だと視界が揺れに揺れまくって大変な事になってしまいますが、今回はデフォルメ寄りという設定で何卒ご容赦をー!

Sideより

前へ向かう足

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前に持ってきた足はそのまま着地せず足裏が見える程度の返しを入れ、カカト着地します。

蹴り足

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特に走りですが、蹴り足の膝が曲がったままだと蹴った力が弱く見えます。(小走り程度なら可)
手足共に曲がったままの印象が強いと柔軟性が感じられずロボットのように見えてしまうので伸ばした状態も加えたメリハリを意識するようにしましょう。

手と足のタイミング

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足先と手のタイミングが同時にならないように気を付けましょう。
足先ではなく膝と手が同タイミングくらいです。

腕の振り

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手足共に等速運動にはならず、通過中は加速、折り返しの際に減速と緩急を付けます。
また手先、足先だけを見るのではなく、肘と膝の軌道も併せて確認するようにしましょう。

胸のひねり

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腕の振りに合わせて鎖骨も含めた胸の回転を加えます。
手と同タイミングではなく1~2f早いくらいのラグで。
胸の回転は歩き/走りの勢いに比例しますので状況に合わせた使い分けが必要です。
『腕の振り』と同様に等速にならないよう気を付けましょう。

Frontより

手足のX軸

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基本的に蹴り足は内側へ入り、前に持ってくる足は少し外回りの軌道となります。
また足と足の間隔は多少重なるように配置します。

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前に持ってくる腕は内側へ、後方は外側へ向かいます。
 └ NG例のようにX軸の軌道がほぼ無いような動きとならないよう気を付けましょう。
 └ 直線的な動きとならないよう円運動(アーク)を意識した軌道にしましょう。

腰の回転

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腰の移動とY回転で満足して正面からの回転を忘れがちです。
体重が乗っかった足側にカクンと骨盤を上げる微妙な動きを加えると効果的。

アップベクター

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アップベクターに動きが付いているのと そうでないのとではシルエットに大きな差が出ます。
手足と膝、肘の繋がりを意識しつつ動きを加えましょう。

移動値の確認

移動速度を付けての確認も忘れずに!(ゲームの仕様によるので、数値はまちまちです)
キレイに動きを付けたつもりでも移動値を入れたら足が滑ってる...なんて事はよくあります。
移動値の確認はモーションを付けた後でなく付ける前に確認しておくのが肝要です。
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まとめ

プロになると更に細部の指摘も多くなってきます。
『えー...そんな細かいトコまで誰も見ないよ…』と思うかも知れませんがゲームは数十万人~数百万人の方がプレイします。発売した作品は直せなくなくなるので後々悔いが残らないよう極力妥協せずにいきたいですね。
(たとえオンラインゲームであっても様々な仕様が絡む為、コンシューマ同様に直せない事が多いです)
  
お客様に満足して頂く為にも、自身の厳しい目で『商品』を高いレベルまで持っていきましょう!
  
それでは。

次回


 

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