モーション研究室

ゲーム業界のモーションデザイナーが書いてるモーション講座

【MAYA 初心者講座】待機モーション Lv1(シルエット)

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【MAYA 初心者講座】待機モーション Lv1(シルエット)

インゲームモーション

私が今までやってきたモーションはインゲームモーションという分野となります。

インゲームモーション

ゲーム内で操作可能時に使用されるモーション。バトルモーションと呼ばれたりもする。

他にはカットシーン、シネマティクスと言われるゲーム間に流れる映像特化セクションもありますが、コチラの内容には触れませんので予めご報告しておきます。
  
それでは始めます。

待機とは

作業をする上で最初に作るモーションが『待機』です。
 
待機モーション、idle:アイドルとも呼ばれています。
idleを和訳してみると・・・
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あれ、、何だか凄い書かれようですね。。。しっくりくるものが無いです。

待機とは

  • ニュートラルな状態
  • 基点となるモーション
  • 様々な動作後に帰結するモーション
  • プレイヤーが一番見るモーション

こんなところでしょうか。
 
つまり待機はそのキャラクターのベースとなる部分です
コレが地味だと印象に残らないですし、派手で動き過ぎると遊ぶ側が疲れてしまいます。
プレイヤーに一番長く見られる凄く大事なモーションが 『待機』 です。
 
では待機モーションを作る上で大事だと思う点を段階的に説明していきます。

仕様の把握

兎にも角にも、ゲームの仕様がまずは大事です。
仕様=そのキャラクターの設計図ですね。
ゲームに限った話でも無く、作る上で制約はつきものです。

作った後でありがちなパターン

『このキャラ宙に浮いてますよ』
『後々盾を持つ事になるので左手の位置に注意して下さい』
『武器の種類が変わります。体や地面にめり込まないようにして下さい』
『性格が合っていません』
『かなり大きいキャラなので見下ろすようなポーズでお願いします』etc...

まずはどういう設定か調べるところから始め、キャラクターのイメージを固めていきましょう。
調べる事でイメージがより鮮明になりますし、モチベーション向上にも繋がります。

ポージング

イメージが固まってきたらまずはポージングから入ります。
すぐに動かそうとせずまずはどういうポーズでいくかを決めていきます。
参考イラストがある場合は早いですが、無い場合はネタを多く出して絞っていきます。
またポーズで被っているキャラがいないか、過去作がある場合はどういうポーズをしているか等も作品によっては重要です。
  
ポージングをする上で意識する事を幾つか書いておきます。

シルエットを意識する

シルエット

影絵のような輪郭だけの黒い実景。おおまかでシンプルな形状。

素立ちのポーズで説明します。
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一見問題無さそうに見えますが、いろいろ改善点があります。
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素立ち状態で改善できる部分を変えてみましたが変更箇所分かりますか?
ではgif動画を見ながら変化を見ていきましょう。

正面

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・足の角度と膝の角度が合っていなかったので合わせました
  足の向きが変われば膝の向きも引っ張られますので足と膝(手と肘も)この繋がりは常に意識しましょう。
  この辺りは実際に自分で同じポーズをして肘、膝がどの方向を向いているか確かめてみます。
  (この辺が出来ていない人が結構多いです)
・剣の形状が真正面過ぎるので斜めにし、これが剣である事を視認し易くしました。
  剣に限らず誤解を招き易い要素はなるべく排除していきます。剣先が外に開くのもアリ。
・盾ももう少し正面から見える面積を増やしました。

左側面

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・足が同じ位置にあるので少しズラしました。
  真横からでも足が2本あるのが分かりますし、奥行きと厚み、安定度が増します。
・体のS字ライン
  全てがこうなる訳ではありませんが、頭の先から足元までをS字なラインにしています。
・鎖骨の角度を忘れない
  鎖骨に角度をつけ、胸を張った状態を強調。鎖骨部分は動かすのを忘れがちなので注意です。
・顔を少々うつむき加減に
  好みの部分ですが頭の微妙な角度で雰囲気が変わってきます。

あと全身画像では分かり辛い部分として指の形状も変えています。
ありがちなのがZ軸だけ曲げて済ませてしまうパターンと
人差し指~小指まで同じ角度になっているパターン。
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自分で拳を握ってみて下さい。
力を入れると指は内側へ入っていきます。
加えて小指が一番力が入りますので曲がる角度が他の指よりも大きくなります。

右側面

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  • 剣を持つ手指周りの修正


変更前
手と剣の角度が平行になっています。
これだと手首がキツいです。

変更後
手首は腕からの流れでキツくないように変更。
剣自体に角度を付け、指の曲げ具合を剣の角度に合わせます。

 

 
この辺りの指の付け方で力量が判断できたりもします。
 

次回

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