【MAYA 初心者講座】ジャンプ Lv22
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攻撃モーション 前回の記事はコチラ▼
【MAYA 初心者講座】ジャンプ Lv22
それではジャンプ編 第2回です。
今回は動きを踏まえた内容で進めて参ります。
動きといっても今回扱うのはコレ。
バウンシングボール
単純なこの球体で今回は進めて参ります。
バウンシングボールはジャンプの基礎
ジャンプの基礎となる動きは『バウンシングボール』に詰まっています。
ジャンプに限らず、バウンシングボールでアニメーション12原則は学べるので、『人型まだ大変だなー』と感じた場合は改めてバウンシングボールに戻ってみるのもオススメです。
試しにジャンプ、2段ジャンプ、壁ジャンプをバウンシングボール化してみました。
ただのボールですが表現上、特に問題ありません。
むしろ素早く作れるのでやりやすいです。
キャラクターを遠目から見るような大まかな流れ、全体像を見る訓練になります。
『大まかな流れ』で特に重要なのがタイミングとスペーシング
この段階で気持ち良い動きを作れると後が楽です。
ちょっと良くない例として、いろいろ詰め込んでみました。
分かりやすいようにスローverも置いておきます。
・見えない天井に当たっている
・重力に引っ張られているように見える
・地面と頂点の印象が強く過程の絵の印象が薄い
・ストレッチを入れすぎて丸い形状が維持できていない
・上昇と落下が一定速度になっている
・滞空時間が不十分
まずは何故伸ばすのかを理解する必要がありそうです。
次の項目で説明します。
伸びの正体
ボールの上昇や落下時に伸びていますが、果たして現実でも伸びているのでしょうか。
ハイスピードカメラ映像で見てみましょう。
【テニスボールの場合】
動画のようにインパクトの瞬間に圧縮はされますが、インパクト前後は伸びていません。
【野球ボールの場合】
硬質の野球ボールはバットで打ってもほとんど圧縮はされませんし伸びません。
もっと硬いボウリング玉は現実では伸びる事はないですね。
では伸びる正体は何か。
それは残像(ブラー)
落下する物体はモーションブラーによって垂直方向に伸びたように見える。
しかしアニメーションでは上下に物体が伸びただけでは物体の容積が変わってしまったようにも見える。
従ってアニメーションにおいては、そのような場合上下に伸びた分、横(左右)を縮めて容積の一致を保てるようにする。
上記の文章はMOX MOTION様がご紹介されている『Animation Physics』からの引用です。
⇒https://mox-motion.com/wp-content/uploads/2011/09/Physics-of-Timing-and-Spacing1_28.pdf
20ページ目 『加速”ストレッチ”』 を参照しています。
2011年のものですが、とても分かりやすく解説されてます。
つまりは伸びる正体が残像であるならば、伸びる長さは速度と比例します。
速ければ速いほど伸びるという訳ですね。
そして上記を知った上でちょっと疑問。
①残像であるならば軌道上のボールの後ろが伸びるのが正しいのではないか。
└ 楕円ではなく隕石のように流れてきた方向が伸びるのが正しいのではないか
②落下前(画像赤い部分)のボールは何故伸びているのか。
└ 速度が一番ついているのは着地後に跳ねた部分。ここが残像なのは何となく分かるが
そんなに高い場所から落下していない前半が伸びているのはおかしくないか
①はまあそうですね。
ただ初心者用のバウンシングボールでそこまで追求しない、簡易構造になっているだけ(なはず)
②については次の項目で
前半が伸びるワケ
前半が伸びるのは単なる残像(ブラー)という訳でもなさそうです。
2つ例を挙げます。
21ページ目 『ストロボ効果&ストレッチ』参照
https://mox-motion.com/wp-content/uploads/2011/09/Physics-of-Timing-and-Spacing1_28.pdf
動きが速過ぎると絵が飛んでしまったように見え、動きを正しく認識できない事がある。
それを回避する為にストレッチを用いて繋がった絵に見せている。
ストロボ効果で検索するとこのようなページもHITしました。
先に残像が現れて実像化しています。
いずれも連続した絵に見せる為に先行した動きを介入しています。
Rory Alderton氏のページは個人的に好きでちょくちょく紹介しているのですが、この方の着地時の足の伸びもボールに近いものがあります。
League Animation Deepdive 1
動画を見ると注釈に Stretch * Smear と書かれています。
Smear(スミア)とは直訳すると 汚れ、染み、一筆
ブレや一筆の軌道をイメージすると良いでしょう。
わかすぎ氏のサイトでも説明されておられます。
前のフレームからの移動距離が長いとどういう軌道を通って動いているのか見てる人にとって分かりづらくなる。
以上をまとめると
伸縮させる事で、長くポーズを見せる事ができます。
また流れをライン(軌道)として捉え 滑らかな動きの表現ができます。
ただし上手くやらないと伸びた印象が強くなり、不自然になったり、クドくなったりする恐れも。。。なかなか難しい技でもあります。
まとめ
以上。【MAYA 初心者講座】ジャンプ Lv22 でした。
今回はバウンシングボールを使ってのボールが伸びる理由について解説しました。
バウンシングボールのダウンロードについてはコチラをご参照下さい。
伸縮する事で残像を表現していますが、ゲームによってはスケール不可の場合もあります。ゲームのリグ構造では制約だらけだったりしますが、スケールを使わずとも印象付ける方法はあります。
それはまた次回に。
それでは!
次回
【MAYA 初心者講座】ジャンプ Lv23につづく...